チュートリアル / 宋さんの3ds Max キッチンスタジアム
第27回:メタル

2016.11.28

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金属のような導電性の素材に関しては、石材や木材のような電気を通さない物質とは異なった設定が必要になります。以前のコラムで金属の表現には反射素材の影響が重要だと述べましたが、ここではもう一歩踏み込んだ物理的な解説をしていきましょう。

クリヤ塗料を吹いていない状態で石材や木材といった物質は反射率がせいぜい0から25%程度に収まります。それに対して導電性の物質は60%から90%以上の高い反射率を持ちます。

実物を見てみる、あるいは過去にCGソフトウエアで金属マテリアルの設定を経験した方はわかると思いますが、金属は反射色に色を帯びますよね、例えば「金」であれば反射する要素に黄色がかった色が付属します。同じように銅であれば褐色の反射色を持ちます。なんで?と疑問に思う方もいるかもしれませんよね

ちょっとマテリアルの設定方法解説とは離れるかもしれませんが、雑学ということでその辺を解説しましょう。

金属のような導電性の物体には表面・内部に動き回りやすい自由電子が存在しています。昔 理科の授業で勉強したと思います。電気を通すということはこの自由電子が物体の中を移動するってことですから、導電性の高い金属は自由電子がいっぱい存在するわけです。 ライトからの光(振幅を持っている電磁波)がそこにぶつかると、自由電子と光の波長が共鳴して固有の振動が発生します。つまりこの振動は電磁波つまり光となって外に放出されるわけですね。

この共鳴レベルは各金属によって異なるので、金属の種類によって色が変わって見えるわけです。銀やアルミニウムはRBGの各要素に隔たりなく吸収反射を行うので色味を帯びません。それに対して銅は赤よりの波長が残るような吸収特性を示すので褐色色になるのですね、金は黄色系の色以外を吸収するということです。

ついでの雑学ですが、銀やアルミニウムのように白い光を反射する金属は平均してどのような波長も反射するという特性も持ちます。言い換えれば電子の流動性が高い、すなわち 電子(イオン)が陽子から離れやすいということなので、つまり導電性が高いと言うことです。レコーディングスタジオとかで使う高価な音響ケーブルは銀で作られているのはこういった理由からなのですね、

なんかCGとは全く関係ない話しをしましたが、今後レンダリングのテクノロジーは今以上に物理法則に準拠した設定方法や考え方が増えてくると思います。こういった知識を頭の隅っこにでも置いておいて頂けたら、いつか役に立つ日がくるかもしれませんね。

では本題に戻りましょう。PBSの種類によっては反射コントロールが「メタル」というパラメータで統一されている様に見えますが、このパラメータは物体の導電性のレベルをコントロールするものであって、反射レベルをコントロールするものではないことを覚えておいてください。下図はフィジカルマテリアルで「メタル」の値だけを変化させたレンダリングサンプルです。左から0.1、0.5、1.0に設定しています。反射色に色を帯びているのがわかります。

では PBSの場合、導電性の低い物体で反射レベルをコントロールするためにはどうすればいいのかを、次のフレネルの章で解説していきましょう。

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