• Home
  • >
  • ユーザー事例
  • >
  • 映画・テレビ
  • >
  • 株式会社サンジゲン 機動戦士ガンダム 00 3ds Max で描く"作画のタッチ&動き"で 2D アニメーションの最高峰に挑む

株式会社サンジゲン 
機動戦士ガンダム 00 
3ds Max で描く"作画のタッチ&動き"で 2D アニメーションの最高峰に挑む

株式会社サンジゲン 機動戦士ガンダム 00 3ds Max で描く
  • 3ds Max
  • アニメ
  • 映画・TV

いつの日か、3ds Maxでガンダムを動かすために

1 カット1~2 カ月かけて作りあげた水柱 CG

gundam_05.jpg
© 創通・サンライズ・毎日放送

このような好評を受けて、同社は「機動戦士ガンダム OO」の 2nd シーズンでも引き続き 3D CG パートの制作を担当した。任されたのは 1st シーズン同様、宇宙母艦とエフェクトが中心だったが、作業量は質、量とも 1st の数倍に膨れ上がったのである。
「実は 2nd で登場する宇宙母艦の数が倍増し、登場シーンも大幅に増えました。それだけで我々の作業は単純に倍増するんです」(松浦氏)。その作業量は従来の制作体制では対応しきれないほど膨大だったが、同社は前年採用したばかりの新人を、新戦力として現場に投入することでこれに対応したのである。そこにも 3ds Max の導入効果があった。

gundam_06.jpg
宇宙母艦の着水シーンでは
3ds Max のモディファイヤを
駆使して巨大な水柱を表現した

「高機能な CG は十分使いこなすためにカスタマイズが必要な場合が多いですが、3ds Max はそのままでも十分使えます。だから皆でノウハウを共有しやすいし、たとえば新人にも扱えるんです」(松浦氏)。事実、この年の新人は全員 3ds Max 初心者だったが、3 カ月もしないうちに難度の低い作業パートなら任せることができるようになったのだ。しかも、この 3ds Max の「ノウハウの共有しやすさ」は、よりチャレンジングな作業においてさらに大きな威力を発揮した。たとえば CG で最も困難な、水の表現もその一つである。前述の通り、活躍の場を広げた宇宙母艦は、時に空を飛び、海に突っ込む。巨大な水柱が上がり、飛沫が飛び散る。そんな迫真のシーンの表現を CG で――と依頼されたのだ。
「これまで扱うのを避けていた分野ですが、監督が"CG でできないかなあ?"と。そう言われてたら受けて立つしかありませんよね(笑)。しかし、作業は想像以上に大変でした。セル画っぽくなり過ぎてもリアル過ぎても"違う"と、リテイクも 10 数回。1 カット作るのに 1~2 カ月かかりましたね。3ds Max で皆がノウハウを共有することができたので、なんとか対応できたという感じです」(鈴木氏)。

アニメータの技を応用して再現する「作画の動き」

gundam_07.jpg
宇宙母艦の質感は セルルックでありながら 重量感を出すため 3D ブラシ処理を加え、 爆発はパーティクルと オブジェクトを組み合わせて表現

「2nd で私が特に印象的だったのは"オートマトン"ですね。とにかくモビルスーツを動かしたかったので、話をもらった時はひそかに歓声をあげました」(今氏)。オートマトンは多脚型の小型戦車メカ。モビルスーツではないが動きが多く、速い。作画キャラクタと絡むシーンも多いので、「作画を意識した動き」が求められた。通常、宇宙母艦など 3 次元モデルがベースの CG アニメは、1 秒間 24 コマのフルアニメーションであるため、そのまま作画キャラクタと同じフレームに置くと、滑らかすぎる動きが浮いてしまうのだ。
「作画は、アニメーターが永年の勘で頭の中でコマを取捨選択してコマ割りすることで、気持ちのいい"作画の動き"を作りだしています。それと絡む CG のオートマトンも、作画と同じやり方で作る必要がありました」(今氏)。つまり、フルアニメーションで作ったものから平均的にコマをカットするのではなく、作画の動きを意識してコマ割りし、動きにメリハリをつけながら仕上げていくのである。

gundam_08.jpg
オートマトンは 作画のキャラクターや メカと同画面内に 入ることが多いため、 動きの見せ方をより 作画アニメに近づけている
オートマトン
(第1話から)
© 創通・サンライズ・毎日放送

「最初は大変でしたが、慣れると逆に作業が速いんです。どうやったらアニメっぽい動きになるか、考えながら進めるのは楽しいですよ」(鈴木氏)。 ――このようにして、サンジゲンの「機動戦士ガンダム OO」2nd シーズンの制作は、間もなく前半部分を終える。かつてないビッグプロジェクトへの参加は、すでに同社にさまざまな蓄積をもたらしているようだ。 「後半戦も高品質な CG を安定して仕上げていくのは当然ですが、新しい表現にもどんどん挑戦したい。機会があればガンダムそのものも CG で作ってみたいですね。もしガンダムが CG になれば、おそらく日本中のロボットアニメが CG になるのではないでしょうか。 もちろんそれを実現するには私たち自身、さらにノウハウを蓄積しなければならないし、3ds Max も進化する必要があるでしょう。どこまでも一緒に成長して行けたら、素晴らしいですね」(松浦氏)。

導入製品/ソリューション ・Autodesk 3ds Max
導入目的 ・3D CGI によるアニメーション制作のメインツールとして
・モデリング/テクスチャ/リギング/アニメーション/コンポジットまでトータルに
導入効果 ・メンバー間のノウハウ共有の促進
・新人メンバーの操作修得のスピードアップ
・積極的なトライアル&エラー
・総体的な業務効率化の実現
今後の展開 ・さらなる品質向上と安定供給
・より多彩で難度の高い CG 表現の追求
・キャラクターアニメーションへの挑戦
PDF
gundam00_web.pdf
製品購入に関するお問い合わせ
オートデスク メディア&エンターテインメント 製品のご購入に関してご連絡を希望される場合は、こちらからお問い合わせください。