• Home
  • >
  • ユーザー事例
  • >
  • 導入事例
  • >
  • 太陽企画 自社ビル内の編集設備を全面リニューアル 国内初のFlame for Mac OSXを導入/MC最新バージョンで4K再生環境を構築 ポストプロダクションとの連携をさらに強化、今春にはMAもリニューアル

太陽企画 
自社ビル内の編集設備を全面リニューアル
国内初のFlame for Mac OSXを導入/MC最新バージョンで4K再生環境を構築 ポストプロダクションとの連携をさらに強化、今春にはMAもリニューアル

太陽企画 自社ビル内の編集設備を全面リニューアル 国内初のFlame for Mac OSXを導入/MC最新バージョンで4K再生環境を構築 ポストプロダクションとの連携をさらに強化、今春にはMAもリニューアル
  • Flame
  • 映画・TV

太陽企画(株)はこのほど、東京・新橋の自社ビル地下1階にある編集室を全面リニューアルし、運用を開始した。オンライン編集室には国内初となるAutodesk Flame for Mac OSXを導入、CMを中心にWebムービーやトレインチャンネル向けなどの様々な映像に対して、より高いパフォーマンスとレスポンスを実現しているという。一方、オフライン編集室×3室のAvid Media Composerを4K対応にバージョンアップし、Avid Artist DNxIOを導入して4Kのプレビュー環境を実現したほか、Adobe PremiereやAfter EffectsからAutodesk Smokeまで、様々なソフトウェアによる編集・加工作業に対応できる。なお、太陽企画では現在、地下2階のMAルームの改装を進めており、今春には完成させる予定。フィニッシングルームの設計・施工はビジュアルグラフィクス(株)、オフライン編集室は(株)フォトロンが担当している。太陽企画テクニカルディレクション本部では〈今回のリニューアルによって内製体制が強化された一方、制作ワークフローの効率化・迅速化に向けて、ポストプロダクションとの連携・チームワークをさらに強固なものとしていきたい〉と話している。

内製化の強化+ポストプロダクションとの連携

太陽企画は1976年、現在のテクニカルディレクション本部の原点である「ビデオ編集室」を開設し、当時は珍しかったビデオ制作によるCM『ピッカピカの1年生』を生み出している。1992年にAvidを導入してノンリニア編集にも対応する一方、1996年にはD1とデジタルベータカムで完パケできるリニア編集室「デジタル編集室」を整備。また、2006年10月にはMAルーム「サウンドデザインルーム」を開設したことによってトータルの効率アップにつなげた。2000年代初頭から約15年にわたってCG部門と統合していたが、一昨年にCG部門の「+Ring」と完全分離し、テクニカルディレクション本部はポストプロダクション部門として再スタートを切った。

テクニカルディレクション本部では、CMを中心として幅広い映像の業務を行っている。特に、CMからWeb、デジタルサイネージ、トレインチャンネルなど、様々な映像制作が派生してくるタイプの業務を担当することが多いという。スタッフはエディター8人、ミキサー2人、エンコードチーム2人、プリント課2人、システムサポート課2人、マネジメントデスク2人の計18人。なお、今年4月にはMAアシスタントが入社する。 今回、新橋5丁目にある本社ビルの建設から12年経過し、4K/8Kなど様々な映像に対するニーズの広がりに対応するため、地下1・2階にあるオンライン編集室とオフライン編集室×3室、デジタイズルーム、MAルームおよびマシンルームというポストプロダクション設備をリニューアルすることになった。 テクニカルディレクション本部長/チーフエディターの豊永玲氏は〈かつてはオフライン編集を社内で行い、後はポストプロダクションにお願いしていましたが、当社が手がける映像は予算の大小やスケジュールなど様々なタイプがあるため、全てを同じ工程で進めることはできません。技術的観点から「内製」と「外部発注」を振り分けしていくことは、社内の制作部や外部のポストプロダクションにとっても、非常に有効だと考えています〉とする。

オンライン編集室には国内初となるFlame for Mac OSXを導入

オンライン編集室ではこれまで、2012年に導入したSmoke for Macでフィニッシング作業を行ってきたが、今回のリニューアルにより、国内初となるFlame for Mac OSXを導入した。 豊永氏は〈Smokeは、仕込みを社内で行い、アーカイブをとって、仕上げはポストプロダクションで行うことで効率化を図ることを狙いとして導入しましたが、Smoke 2016ではFlameとのプロジェクト互換性がないことがわかり、対応策を検討していました。システム管理者がエディターの渡邉のみで、編集はワンマンスタイルで行っていることもあり、Linux版のFlameを導入する考えは全くありませんでしたが、昨年秋にMac版のFlameが出るとの情報が飛び込み、発表されたInter BEE 2015の場で発注を決めました〉と振り返る。 テクニカルディレクション本部 EDIT Room エディター/テクニカルエンジニアの渡邉秀久氏は〈2012年にSmoke for Macを導入した時には全く使いこなせませんでしたが、2013バージョンでインターフェースが激変し、非常に使いやすくなりました。今回のFlameは、そのSmokeをバージョンアップしたようなインターフェースだったのでスムーズに移行することができました。"Mac"にこだわったのは、様々なソフトを使って試行錯誤してきたノウハウや知見がそのまま活かせると考えたため。1つのソフトに固執せず、適材適所のソフトを使い、自分に最も適したスタイルによる編集を1つの小さなマシンで実現できるのがMacの強みだと思います〉としている。

安定・スムーズな動作で快適な使用感

既にFlame for Mac OSXの運用は開始されており、CMやWebムービー、トレインチャンネル向けなど、2月末までに7〜8本の業務予定が入っているという。 渡邉氏は〈Flame for Mac OSXは非常にスムーズに動作しており、かなり快適に使えています。Smokeよりガッチリした印象で、途中で落ちることもない。レンダリングもSmokeより速くなっている気がします。Background ReactorやRAWファイルをGPU現像できないなど、いくつか制限はありますが、普段使う分には全く問題ありません。自分のノートPCに搭載したSmokeでコンフォーム、仕込み、マスク切りなどを行い、編集室のFlameで仕上げるなど、効率の良い運用も行っています。Flameにしかない機能もどんどん使っていきたい。Flame独自の世界観が今後の作品づくりにも表れればいいなと考えています〉としている。なお、オンライン編集室には既存のSmokeもあり、スイッチングによりFlame/Smokeの両方が使用できる。 また、同社では今後、一定期間だけFlameのライセンスを追加して大型案件に対応するなどの運用スタイルも考えているという。 豊永氏は〈Flameがコストダウンしたことによって、制作プロダクションとしてFlameを導入するハードルが大きく下がりました。特にハードウェアの初期投資が大きく違う。当社ではSmokeで使用していたMac Proを使用しているので、新たな投資はサブスクリプション契約だけ。インストールからトレーニングまで入れれば、最もミニマムなコストでバージョンアップができたと考えています〉。渡邉氏は〈ハードルが下がったことでFlameユーザーが増え、さらに編集ソフトとして進化し、インターフェースもどんどんわかりやすくなっていくことを期待しています。私たちがそのいいきっかけになれれば〉と語る。

これからの差別化ポイントは直感力・技術力・クリエイティブ力

豊永玲氏(左)と渡邉秀久氏(右)
豊永玲氏(左)と渡邉秀久氏(右)

豊永氏は〈様々な人達がFlameに手を出せるようになった。これからの差別化ポイントは"人"です。直感力、技術力、クリエイティブ力を磨いていくことで差別化を図る。また、ポストプロダクションといかに優れたチームプレーができるかだと考えています。Smoke導入時から2人のフリーエディターに協力して頂いているのですが、彼らも元々はInfernoやFlameを使っていた方々なので、今回Flameを導入したことで、パフォーマンスをより引き出せるようになりました。さらに、これまでSmokeだったが故に縁がなかった外部フリーエディターとも良いご縁が生まれるのではないかと期待しています〉とする。

また〈制作プロダクションの社内に技術の部署があることで、ポストプロダクションとの連携や意思疎通に関して大きなプラスになる。ポストプロダクションとタッグを組み、1つのチームとしてやっていくために、テクニカルディレクション本部は重要な部署だと考えています。その積み重ねによって、効率化、スピードアップとともに、クオリティのアップにもつながっていきます。部員たちにはよく「資産運用」という話をしています。プロデューサーが持ってきた仕事(原資)を太陽企画の様々なチームが手がける。それはそのチームやメンバーに対する投資であり、何倍にして返すことができるのか、次の仕事につなげることができるかが問われます。プロデューサーから預かった資産を、個々のエディターが自分の腕で運用していく。技術オンリーではなく、予算感覚も持ったエディターを育てていきたい〉と話している。

太陽企画
http://www.taiyokikaku.com/

導入製品/ソリューション Autodesk Flame
製品購入に関するお問い合わせ
オートデスク メディア&エンターテインメント 製品のご購入に関してご連絡を希望される場合は、こちらからお問い合わせください。