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NHKメディアテクノロジー 
4K編集室「BLAZE」「DM4K」をリニューアルオープン
適正な視聴距離とフレームレート、dot by dotの解像度の4K/60p制作環境が完成

NHKメディアテクノロジー 4K編集室「BLAZE」「DM4K」をリニューアルオープン適正な視聴距離とフレームレート、dot by dotの解像度の4K/60p制作環境が完成
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(株)NHKメディアテクノロジーが、3D/4K編集スタジオ『BLAZE』と編集スタジオ『Digital Magic』を、MT4K編集室-1『BLAZE』、MT4K編集室-2『DM4K』としてリニューアルオープンした。ソフトウェアをAutodesk Flame Premium 2015に更新するとともにハードウェアやストレージを増強して2014年10月から稼働を開始。Inter BEE 2014に併せて開催した「創立30周年記念技術展」において、初めて"4K/60p完全対応"をアナウンスした。同社では〈視聴距離・フレームレート・dot by dotの解像度という3つのポイントを網羅したことで、初めて"放送番組の4K/60pに対応できる"と自信を持って言える編集室が完成した。撮影から編集、フィニッシングまで4K対応の装備と人員を揃え、NHKグループの技術会社としての責任とプライドを持った4K番組制作のトータルサービスを提供していきたい〉としている。

約30本の4K/8Kコンテンツ制作を担当

MT4K編集室-1『BLAZE』

MT4K編集室-1『BLAZE』

同社ではこれまで、3D/4K対応編集室『BLAZE』で4K/8Kコンテンツ制作に対応してきた。これまでにNHK初のフル4K制作ドラマ『桜ほうさら』(2014年1月のオンエアはHD)をはじめ、番組パッケージ、VFXや加工などの部分的な業務、社内コンテンツも含め、約30本の4K/8Kコンテンツの制作を『BLAZE』で行ってきた。
『BLAZE』は、編集・合成システムにFlame Premium、サブシステムにSmoke for Mac OSX(当時)を採用、Flameによる合成作業、Smokeによる編集作業、Lustreによるカラーグレーディングを集約した一元的な3D/4K映像制作が可能なスタジオとして、2011年にオープンした。編集卓前方下段にクライアントスペースと150インチスクリーンを装備、4Kプロジェクター「SRX-T110」と「PT-DZ8700」×2台による3Dプロジェクターを切り替え、3D/4Kそれぞれに最適な視聴距離によるプレビュー環境を有している。なお、「創立30周年記念技術展」の「世界初!実写8K3Dシアター」で公開したコンテンツ「WISH」のポストプロ作業も『BLAZE』で行われた。

放送番組における4K/60pへの対応

今回、『BLAZE』および編集スタジオ『Digital Magic』を4K編集室にリニューアルした最大の目的は"放送番組における4K/60pへの対応"だ。
放送技術本部 映像ポスプロ部 編集 専任エンジニアの田畑英之氏は〈4Kカメラの普及が急激に進んで受注案件が4K中心になってきたこと、次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)の立ち上がりに伴って4Kの放送コンテンツ需要が高まってきたこと、4K放送フォーマットが4K/60pに決まったことにより、「放送番組における4K/60pへの対応」が必須となりました〉と話す。
同社では、2014年夏に『BLAZE』と『Digital Magic』のソフトウェアをFlame Premium 2015 Ext.1にバージョンアップ。ワークステーションはHP Z820を採用し、GPUはNVDIA Quadro K6000×2を搭載、セカンドGPUを用いてバックグラウンド・レンダリングを行うBackground Reactorに対応している。サブシステム(MacPro)もFlame Assist 2015 Ext.1にバージョンアップしたほか、Adobe Creative Cloud、Apple Final Cut Studio 7.0.3、Final Cut Pro Ⅹ、Avid Media Composer 8およびBlackmagic Design DaVinci Resolve 11を搭載している。
さらに、非圧縮4K/60pの編集やリアルタイム再生を可能とするため、『BLAZE』のストレージを115TB(非圧縮4K映像で約10時間分)に増強した。なお、『DM4K』のストレージは22TB(同、約3時間分)となっている。

BLAZEのFlame Premium 2015

BLAZEのFlame Premium 2015

BLAZEのFlame Assist

BLAZEのFlame Assist

用途に合わせた4K編集室×2室体制に

今回のリニューアルによって、同社では5.1chサラウンド対応/大画面150インチスクリーンでプレビューできる『BLAZE』と、液晶モニターで画質管理ができる視聴環境を整えた『DM4K』という4K編集室×2室体制となったほか、両室をFlame Premium 2015とFlame Assist 2015という同じシステム構造としたことで、用途に応じてフレキシブルなスタジオ運用が可能となり、幅広い4K制作のオーダーにマッチした対応を実現した。両室のFlameおよびFlame Assistとニアラインサーバーソリューション「WiredServer」はinfinibandで接続されており、高速ネットワークによる4K素材の共有も可能だ。
映像ポスプロ部 編集 チーフの近藤貴弓氏は〈大規模なプロジェクトに対して、『BLAZE』で編集作業を進めながら『DM4K』で合成作業を同時に行ったり、2室・4システムをパラレルに稼働させることで作業の効率化・高速化を図ることが可能です〉と語る。

MT4K編集室-2『DM4K』

MT4K編集室-2『DM4K』

DM4KのFlame Premium 2015

DM4KのFlame Premium 2015

"4Kができる"へのこだわり

NHKメディアテクノロジーがInter BEE 2014に併せて開催した「創立30周年記念技術展」

NHKメディアテクノロジーがInter BEE 2014に併せて開催した「創立30周年記念技術展」

同社では新4K編集室『BLAZE』と『DM4K』を2014年10月から稼働させているが、対外的なアナウンスは、Inter BEE 2014に併せて開催した「NHKメディアテクノロジー 創業30周年記念技術展」で行った。
田畑氏は〈Flame Premium 2015のファームウェアがバージョンアップされ、長尺番組の4K/60pをコマ落ちせずにリアルタイム再生できる環境がようやく整ったことで、私達が自信を持って「4Kができる」と言えるスタジオが完成したと考えています」。近藤氏は「私達は、適正な視聴距離、適正なフレームレート、dot by dotの解像度、技術的な視点で確実に確認できて初めて"4Kができる"といえることにこだわりを持っています。それはNHKグループの技術会社としての責任とプライドであり、常に放送事業者に近い当社の存在意義でもあると考えています〉と話している。

スタッフのスキルを含めて高いレベルで「4Kの高精細感」を提供

同社のポストプロダクション体制は、4Kノンリニア編集室×2室、リニアオンライン編集室×3室、HDノンリニア編集室×3室、ノンリニアオフライン編集室(PRUNUSとFCP)×約70室。
田畑氏は〈スタジオ内で動くスタッフ同士が様々なことを吸収し合い、沢山の作品に携わることでノウハウを蓄積していくという意識が強いのが特徴です。最新の機材を駆使し、演出意図を汲み取って表現する。その表現の自由度が放送規格として正しいかを確認して納品すること。それは放送事業者に近い存在としてのミッションではないかと考えています〉。近藤氏は〈当社にはアシスタント制のようなものはありません。スタジオ内では同程度のスキルを持つ2人が、ノウハウを共有しながら全体の技術力を高めていきます。設備だけでなく、スタッフのスキルも含めて、高いレベルで「4Kの高精細感」を提供できます〉とする。

撮影〜フィニッシングのトータルな4K制作サポート体制

近藤貴弓氏(左)と田畑英之氏

近藤貴弓氏(左)と田畑英之氏

一方、同社ではソニーのシネアルタカメラ「PMW-F55」×6台を保有し、撮影〜編集〜フィニッシングに至るトータルな4Kコンテンツ制作サポート体制を、早期から提供している。
田畑氏は〈従来の「ポストプロでの"後処理"ありき」ではなく、「現在ではポストプロのためにも、しっかりとした"前処理"が必要」という流れになってきています。RAWやlogでの撮影も含め、撮影チームとポストプロとの連携が不可欠になってきている中で、社内で撮影からフィニッシングまで一貫して対応できることは大きな強みだと考えています〉と話している。

NHKメディアテクノロジー 
http://www.nhk-mt.co.jp/
東京都渋谷区神山町4-14
4K・8K・3D・HD制作および中継・展示などの窓口 TEL03-3481-7710

導入製品/ソリューション ・Autodesk Flame Premium
・Flame Assist

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