BAYONETTA - ベヨネッタ 
SEGA ×プラチナゲームズが贈る渾身の大作アクションゲーム

BAYONETTA - ベヨネッタ SEGA ×プラチナゲームズが贈る渾身の大作アクションゲーム
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数百年の時を超え現代に蘇った魔女ベヨネッタ、彼女の失われた過去の謎を解く鍵とは...。襲いくる無数の天使との爽快感あふれるアクション、記憶の糸をたどる過程で展開されるドラマチックなストーリーがプレイヤーを魅了する。2009 年 10 月発売の Xbox 360/プレイステーション 3 向けソフト『BAYONETTA (ベヨネッタ)』は、"∞(ノンストップ)クライマックス・アクション"の呼び名にふさわしいアクションゲームである。

クラッシュ&ビルド、そして少数精鋭ならでは開発のスタイル

『BAYONETTA』を送り出したのは、数々のヒット作を手がけてきたクリエーターが所属するプラチナゲームズ株式会社だ。今回は『BAYONETTA』の開発がどのように行われていったのかプラチナゲームズの開発スタッフの皆様に詳しくお聞きした。

プロジェクトの発足は、3 年前の 2006 年にさかのぼる。当時、ディレクターの神谷英樹氏を中心に様々な企画検討が行われていた。しかし、当初はアクションゲームの企画はあがっていなかったという。そこで、今作のプロデューサーである橋本氏からの提案によってぜひアクションゲームを実現したいというところから『BAYONETTA』の企画はスタートした。

『BAYONETTA』は、プラチナゲームズ設立後の立ち上げプロジェクトであったため、ゲームエンジン、シェーダ、モーション、モデルなどありとあらゆる資産をゼロから作り上げる必要があった。まさに、検証を行いながらゲームを開発していく状況であったという。そんななか、目標としたことは、高品質なグラフィックを表現しながらも 60fps を死守すること、さらにストレスの無い操作性を実現するという困難な課題であった。

開発に携わった人数は、この規模のタイトルでは考えにくいかもしれないがピーク時でも約 50 名であるという。(キャラクターモデリング 5 名、モーション 5 名、背景最大 10 人、イベントまわり 8 名(一部を外部委託)、プログラマ 10 名、企画 3 名、サウンド 5 名、エフェクト 2 名、インタフェースデザイン 1 名)

さらに、プロジェクトには、企画書・仕様書は存在しないというから驚きだ。プラチナゲームズでは、企画担当以外にもデザイナやプログラマがゲーム性の部分に自由にアイデアを出せる環境がある。このため、ゲームの骨組みだけを作り、チーム全体での議論からのアイデアをディレクターがとりまとめ具体化させていく開発スタイルがとられたという。

また、クオリティを求めるうえで"クラッシュ&ビルドの開発スタイル"が基本となっているため、仕様変更が頻繁に発生したそうだ。面白さの追求に関しては妥協せず、締め切り設定のギリギリまで修正を重ねるスタッフの姿勢が最高級のアクションゲームを生みだしたといえる。

Autodesk Softimage - 非破壊構造のアドバンテージ

プラチナゲームズでは、開発ラインの背景・イベント・キャラクター制作の全てに Autodesk Softimage をメインツールとして採用している。ゲームエンジンでのプレビューと同等の確認が、Softimage 上で Cgfx シェーダを割り当てた各素材で行える環境下で開発は進められた。

キャラクターモデリング担当の吉村氏は、モデリング、ボーンの仕込み、エンベロープウェイトの調整といったキャラクターを動かせる状態に仕上げるところまでの責任を担った。ベヨネッタは、女性らしい曲線をもちながら、体のバランスはディフォルメがきいたキャラクターである。女性主人公という存在も珍しいが、そのキャラクター性を引き立てているのがメガネというアイテムである。デザイン画を生かしながら吉村氏によってモデリング作業が進められた。デザイン画担当が女性スタッフであったため、服の縫い目、アクセサリ、化粧のチークの濃さや位置、アイシャドウやアイラインの濃さなど男性では気づきにくい細部まで工夫がほどこされている。

肘や膝にはリンクパラメータで補助関節が仕込まれている。腕が曲がったときも美しく見え、伸ばした際にはやや女性特有の逆関節気味になるような細かいセットアップが行われている。滑らかなラインのセクシーなお尻に最もこだわっているので、そのあたりをぜひ注目して欲しいなどと冗談を交えながら吉村氏はさらに解説を行ってくださった。

ベヨネッタのキャラクター全体には 2 万 3 千ポリゴンほどのデータが含まれ体には 100 を超えるボーンが使用されている。これは、ゲーム中に常に表示されている状態での情報以外にも、状況の変化で発生表示されるリボン、ベルト、髪の毛といったポリゴン情報を含むデータ値である。テクスチャマップは、アルベドマップ、ノーマルマップ、スペキュラマスク、キューブマップ(イメージベースドライティング用)が使用されている。ゲーム中の髪の毛の動きは実機側でプログラム制御されている。髪の毛を触媒として敵にダメージを与える大魔獣召喚の髪の毛のアニメーションは Softimage 上でキーフレームアニメーションが行われた。

あらゆる変更に柔軟な対応が求められる状況下では、Softimage の非破壊のアーキテクチャが力を発揮したという。Softimage の非破壊構造はモデリングデータの変更もそうであるが、エンベロープウェイトの調整作業でも便利であるという。キャラクターを動かしたとき仮に何か問題が発生してもコンストラクションモードを利用することで調整が効率的に行えるのだ。

「コンストラクションモードをモデリングモードに同期させることでキャラクターを T スタンスの状態に即座に戻すことが出来ます。このため、エンベロープの調整作業では 2 つのウィンドウを開き、キャラクターが動いた状態の結果と T スタンス状態を同時に比較して作業を行っています。このスタイルで作業すると効率的な選択と変更結果の確認を同時に実現できます。こういった洗練されたアーキテクチャは Softimage ならではですね。」と吉村氏は語ってくださった。

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